特殊生糸

2009年03月01日









●品目
特殊生糸(とくしゅきいと)

●品目の種類 


●取材対応
西村英雄(特殊生糸製造代表)


●技の工程
生繭-殺蛹-低温貯蔵-繰糸-小粋乾燥-大枠揚げ-大枠乾燥-糸ねじ・糸結束-特殊生糸

●技の概要
江戸時代初期から農家の副業として作られてきた。春糸は三味線・琴糸に、夏秋糸は、能装束の原糸として使われる。また、京都西陣の高級織物原糸にも用いられ、その高い品質を誇る。8個から18個の繭から糸を繰り出して、1本の糸をたぐり寄せ、糸巻に巻き取っていく。楽器糸として名高いのは、コブ(フシ)がないこと、高度と伸度に富む、優美な光沢があることに加え、楽器糸用の染料に良くなじむからである。

●取材の内容
特殊生糸の製造には、水質が重要できれいな軟水が出るところでないと良い糸はできない。今回訪れた西村英雄さんの工房兼ご自宅は、長浜の山側の谷間を登っていったところにある。そこでは特殊生糸製造にぴったりのきれいな軟水が出る。特殊生糸製造に適した環境であることから、かつてはそこの集落一帯のほとんどが特殊生糸を製造していたという。しかし時代の流れか、農業と兼業して養蚕を営む家が減っていき、現在残るは西村さんの工房1軒のみとなってしまった。
お話を聞く傍らでは、親戚の女性が糸を繭から繰り取っていた。とても手際よく糸を繰り取り、見る見るうちにまるい繭から中の幼虫が顔を出す。その周りには、他の工程をするための道具がところ狭しと並び、玄関口には完成間際の糸が天日干しされていた。透き通るような白でやさしいミルク色の糸は、日の光を浴びて一層いっそう輝きを増していた。
西村さんはこの道55年の大ベテラン。しかし今では糸の繰り手がいなくなり、西村さんと親戚の女性が主で、後は夏休みなどに孫が手伝いに来る程度だそうだ。しかし、需要は高く、作った糸はすぐになくなってしまう。それでも注文が耐えないという。また、小学生対象の体験なども実施している。「担い手がもっといてくれたら、もっとやれるのに。」と西村さんは言う。
しかし西村さんはたくましく、桑から自分で育てて繭を取るために県道沿いに桑畑を作った。数年前から始め、今では立派な桑が育っている。しかもその周辺に養蚕の施設や体験工房などを作りたいと企んでいるそうだ。県道沿いに畑を作ったのは近隣の家からよく見えるため。自分がやっているのを見て他の人もやり始めることを期待している。
「このまま辞めずに、日本の伝統的な文化をなんとか維持していきたい。」と西村さんは言う。需要が高く、生産さえ出来れば続けていくことが出来るという好条件で、担い手がいないために絶えてしまうのは非常に残念だ。そうならないためにもなんとか担い手が現れることを期待したい。
我こそは!という方は是非ご連絡を!

●体験・見学情報
体験 - 要予約
見学 - 要予約

●取扱商品
特殊生糸

●お問い合わせ
伝統工芸・特殊生糸製造 西村英雄
TEL:0749-76-0236
住所:長浜市太田町108-1

※取材者※
迫間


Posted by 近江ワザ回廊 at 00:09│Comments(0)TrackBack(0)織物・染物

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